子どもの力を200%引き出す「6つの秘訣」 ・・・ 『第一の秘訣』 その1

【第一の秘訣】 子どもの力を引き出すコミュニケーション

(1) ほめ方と叱り方

心理学の世界では、人間はたった一つの動機で、 行動を決めています
「えつ、そんなバカな!」 「動機は人それぞれでしょ?」 と言う声が聞こえてきそうです。いえいえ。本当にそうなんです。 たった一つの動機です。それを知ってしまえば、子どもとのコミュニケーションは、とても楽になりますよ。

その動機とは、


『痛みから逃げて、快楽を求める!』


 ということです。どうです?当たり前のことと言えば当たり前のことですね。学校の先生も、政治家も、スポーツ選手も、となりのお母さんも、 全員が 「痛みから逃げて、快楽を求める」 ために、行動をしています。

お母さんからいつも「勉強しなさい!」と言われて嫌な思いをすれば、子どもは勉強が嫌いになります。勉強が 「痛み」  になつて、ますます勉強できなくなります。反対に、工夫して勉強を楽しみ、成績も良い子どもは、 勉強がとても好きになります。勉強が 「快楽」 になつているのです。これはシンプルですが、知っておくと使い勝手がとても良い知恵です。 『頼みから逃げて、快楽を求めるー・』これは本当に重要な知恵ですので、 『痛みと快楽の原理』として、良く覚えておいてください。

大人は痛みを我慢して行動することもできます。でも、子どもにはそれはできません。『痛みと快楽』の原理に、行動が直結しているからです。 ご自分の子どもの行動をいろいろ思い出してみてください。・・・ほとんどは「痛みと快楽の原理」で説明できることがお分かりになるでしょう。

ですから、子どもが少しでも頑張ったのを見逃さず、心からほめてあげることが必要です。あなたとの関係に『快楽』 を結び付けるのです。小さなことであつても、子どもの良い点を見逃さないで、ほめてあげてください。

歴史上の偉人や、現代の成功者と言われる方たちは、子どもの頃に肉親(もしくは血は繋がっていなくても、 心から自分のことを思ってくれていた人物) から受けた言葉の影響を、 ご自身の成功の理由に挙げられる方がとても多いです。
最近では、ソフトバンクの孫正義社長の話が知られています。 孫さんは幼い頃からお爺さんの膝の上で、「お前は天才だ」と言われて育ったとおっしゃっています。そして、 自分を本当に天才だと信じて疑わなかつたそうです。

明治維新の時代には、坂本竜馬と姉の乙女の話が有名です。 いじめられっ子だつた竜馬の中にある素晴らしさを竜馬に伝え、「お前はできる」と言い続けたのは姉の乙女でした。後に竜馬は回想して、 乙女が自分の人格や精神に与えた影響力の大きさを語っています。
ぜひ子どもの本来の素晴らしさを認めて、どんどんほめてあげてくださいね。

ところで、ほめ方にもコツがあることが分かっています。子どものタイプは3つあり、ご自分の子どものタイプに合ったほめ方をすると、 とても効果を発揮します。『感覚重視』『人間関係重視』『事実重視』の3つのタイプ別に見てみましょう。 まずそれぞれのタイプの説明をします。

『感覚重視タイプ』の子は、物事を直感で判断し、表現力がとても豊かです。 親や友達から一目置かれたいという願望が強く、拡大志向を持ち、輝く成功を目指します。合理的思考も持っています。 やや調子にムラがあるという特徴もあります。

『人間関係重視タイプ』の子は、皆と仲良くしたい、 人とケンカや競争をしたくないという願望が強いです。信頼できる人間関係を一番大事にする子で、一人でも頑張れますが、 人と協力することで更にその子の良さが活かせます。周囲に気を配ることのできる優しさを持っています。人に説明するときは、 相手に理解できるよう、または自分が誤解されないように、話が長くなりやすいです。「なんで?」「どうして?」という言葉が多いです。 それは、一から十まで全て知りたいと思う傾向があるためです。そのためやや無駄が多いのも特徴です。

『事実重視タイプ』の子は、夢を具体的に実現したいという願望を持ちます。 常に自分のペースを守り、自分の好きなことができる世界を構築したいと考えます。表現力は3タイプの中で一番控えめです。 優しさを表現する際は、さりげない気遣いという形で表します。自分がそうなので、人の笑顔やお世辞に疑念を持ってしまったりします。

3つのタイプのいずれかに、完全に当てはまる子どもはあまりいません。一番強いタイプと、 二番目に強いタイプの混合である場合が多いです。ご自分の子どものタイプを知るには、これからお話するほめ方を実践して、 一番子どもが反応する方法を見つけてください。

・『感覚重視タイプ』には、オーバーアクションで感情を込めてほめます。

・『人間関係重視タイプ』には、子どもが頑張った動機をほめます。そして、子どもがどのようにやったかを聞いてあげます。

・『事実重視タイプ』には、まずほめてから、次に良い点を具体的に伝えてあげ、さらにもっとこうすれば良くなるという改善点を伝えます。


同じほめるでも、やり方がぜんぜん違いますね。例えば、子どもがお母さんのために、似顔絵を描いてくれたと仮定しましょう。「お母さん、 これ学校で描いたんだ~」と絵を持ってきてくれた場面を想像してみてください。各タイプ別のほめ方は次の通りです。

『感覚重視タイプ』の子どもには、「すっご~い!じようず~! 良く頑張ったわね!」 「メチャメチャうまいじゃな~い!」「最高~!あなた天才じやな~い!?」のように、 感情で喜びを表現してあげると、子どもの心に響きます。感覚で物事の本質をとらえる子だからです。
この子に②や③の褒め方をすると、子どもの喜びは半減します。感覚でとらえる子には、 具体的な説明は必要ないのです。「親が感情を込めて喜んでくれた」 「心からほめてくれた」 と思えることが大切です。 (・・・ちなみに私はこのタイプかな?)

『感覚重視タイプ』の子に具体的な質問などすると、「心から喜んでくれてないんだ」とがっかりさせることになります。 ちょつと恥ずかしいかもしれませんが、過剰なぐらいの表現がちょうど度良いのです。

次に、『人間関係重視タイプ』の子どもには、 彼の動機や人間性をほめてあげてください。「良くやったわね~。きちんと約束を守ったのね!えらいわ。」  「ありがとう~。お母さんのために措いてくれたのね。本当に嬉しいわ~♪」などです。動機をほめた後は、絵を良く見て具体的な点を指摘し、 「うんうん♪ここは良いね~。どうやって書いたの?」など、子どもがそれをどのようにやったかを質問してあげてください。 子どもは自分のことが認められていると感じ、嬉しさとお母さんへの愛情は倍増します。『人間関係重視』の子は、人に認められ、 人とのつながりを感じることが大事だからです。

この『人間関係重視タイプ』の子に、①のような感覚的なほめ方をすると、子どもは「本当に僕のしたことを分かってくれているのかな?」 と疑ってしまいます。具体的に、自分が子どもの気持ちに感動したことを伝えましょう。また、 子どもに良かれと思って③のように改善点を指摘したりすると、子どもは自分の前向きな気持ちや善意を、 お母さんが十分に受け取ってくれていないように感じて、非常に悲しい思いをします。『人間関係重視タイプ』の子は、 人に認められることで次のモチベーションを得ます。

最後に、『事実重視タイプ』の子どもには、「あら!どうもありがとう♪」 といった後、絵をよく観察します。ここまでは『人間関係重視タイプ』の子と同じです。ですがその後は、 大人の視点から見て具体的にコメントしてあげます。まず、「ここは良いね。素晴らしいね。」次に  「この部分は、こうしたらもっと良くなると思うよ」という改善点を教えてあげます。

『事実重視タイプ』の子どもは、自分の仕事が正当に評価されているかどうかを気にします。『人間関係重視タイプ』の子が改善点を言われると、 自分の動機が否定されているような寂しさを感じるのに対して、『事実重視タイプ』の子は、自分を正確に知り、新たな目標ができたことで、 次のモチベーションにつながります。
このタイプの子に対し、①のように感覚的にほめた場合、「ぜんぜん分かってないな~」と思われてしまいます。 また②のように動機や思いをほめると、子ども扱いされているように受け止めてしまいます。

タイプによってぜんぜん違いますね。ご自分の子どもがどのタイプに当てはまるかは、実際に3つのほめ方を実践してみて、 一番ピッタリ合うものを探してみてください。3つのどれかに当てはまると思いますよ。


次に叱り方についてお話します。叱るときにもコツがあります。

「やっておきなさいって言ったでしょう!」などと、感情的に怒るのはダメです。 子どもは隠すようになります。
「どうしてやらないの?」 などと、問い詰めるのはダメです。子どもは言い訳を考えるようになります。
何も言わないのは一番ダメです。子どもは自分の存在が認められていないと感じて、自尊心を失います。 この子は他人の自尊心も考えられなくなります。
(※このあたりのことは、コーチングの手法になってきますので、別の機会に詳しくお話ししたいと思います。)

非常に大切なことですが、叱る時は、「行為」そのもの(=Doing) を叱り、子どもの存在(=Being)は決して否定してはいけないと言うことです。
(例:「○○なことをするなんて、あなたは××ね!」のように言ってしまうと、 子どもに××という「レッテル」 を貼ってしまうことになります。)


今回は大変長くなってしまいましたが、次回は、【第一の秘訣】のつづきをお話しします。

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